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郷愁 懐かしの風景

大掃除、昨日は助っ人も参加で、やっとめどがつきました。
めをつぶれるところは、つぶって^^v

こんな時に思い出すのが、昔の大掃除、
大人になってからは、ただ気ぜわしい年の瀬になりましたが
子供のころはなんとなく楽しみなこのころでした。

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母も仕事おさめとなり、祖母と一緒に年越しの仕度にかかります。
そして家族そろっての大掃除、
子供の私にも、それなりの仕事が割り振られ、
凝り性の父のこだわりの障子張りの手伝いで、
障子紙をぬらしてはつぎつぎとはがしていきます。
ところどころ、ぶつぶつ、バンバンと穴をあけて遊んだりするけれど
これで楽しみすぎると、かえって後がやっかい。
なるべくなら、べろべろと続けてはがすにこしたことはありません。
それでもきれいにはがれるものもあれば、桟に薄く紙がはりついたままとれないところもあり、
それをまた雑巾できれいにぬぐい父に渡します。

凝り性の父は、職人さんさながらの力のいれようで
きれいに張れないと、一からやり直したりするから、これまたやっかい。
母は、ほかのこともしてもらいたそうな顔をしながらも、あきらムード。

それから、今はすっかりしなくなってしまって久しいのが
畳をあげることでした。
あのころは、茶の間といっても、小さなテレビに茶箪笥、座卓にストーブ
それくらいしか置く物もなかったから、どかしやすいというのもあったのでしょうか、
表に出した畳はバンバンとはたかれ
そして畳の下に敷いてあった新聞を敷き替えます。
数年ぶりだったりすると、懐かしい古新聞がでてきて、テレビ版などのぞいてみたり。

そろそろお昼になって、おなかが鳴ってくるころをみはからったように
祖母がお餅を焼きはじめます。
お昼にしちゃいましょ、そういって、母や祖母は姉さんかぶりの手ぬぐいをとり、
こおばしく焼けたお餅をいただきます。

こんな時は、いつもの父と祖母の険悪ムードも喧嘩も棚上げ、
そんなもろもろの非日常がっぱいの暮れだから、好きだったのかもしれません。




そういえば、お正月が近づくと
北海道の祖父母のところからも、いろいろなものが送られてきました。

祖母からは、伯父達と一緒についたお餅、
豆餅や海苔餅、子供の私が好きだったものに、砂糖餅というのもありました。
擂った黒胡麻と砂糖が入ったほんのり甘いお餅、
これを火鉢で祖母が焼くときは、わくわくものでした。

父の叔母からは、新巻鮭や、木箱に入った林檎。
木箱の中にはもみ殻がいっぱいで、その中から林檎をごそごそと探すときは
手がかゆくなったのもよくおぼえています。

何より大人たちが楽しみにしていたのは、
札幌の祖母の作った飯寿司(いずし)という食べ物。
いずしとは、ご飯と魚・野菜・麹を混ぜて桶に入れ、
重石をのせて漬け込み、乳酸発酵させた漬物なのですが、
食べやすい鮭のものより、父が特に好んだのはハタハタで作ったものでした。
子持ちのハタハタで作ったいずしは独特の味わいで、
子供の私には、どこが美味しいのか理解しにくい食べ物だったけれど、
祖母や母も目を輝かせ、特に父にとっては、おふくろの味だったのでしょう、
酒の肴で食べるときの顔は至福の時というような様子でした。

私も大人になって、やっとその美味しさがわかるようになったのですが、
そのころは祖母もだんだん作るのが億劫になりしてるうちに、
もう二度と味わえない味になってしまいました。

ついこのあいだも食べたくてネットで検索したら、お取り寄せもあったのですが
写真をみると、魚がメインで祖母の作った野菜がたっぷりのものとはイメージが少し違い、
やめてしまいました。
自分で挑戦してみようかとも思うけれど、冷蔵庫でもできるということだけれど
あのしばれる北海道で作った祖母の味はなかなかでないような気がします。

そしてもうひとつは、鰊漬け、これは以前にも記事にしたことがあったけれど
母の従兄弟のおじさんが作った鰊漬けは絶品でした。
北の味、忘れられない懐かしい味、
もうみんないなくなってしまったけれど、それぞれの顔が浮かぶ思い出の味なんです。

こうしてやれやれで迎える大晦日。
大つごもりということばもありますが、祖母流に言うと、年夜(としや)といって、
祖母の地方では大晦日の晩にご馳走をいただくのが慣わしだったそうです。
鰊漁師の網本に育った祖母には特別の晩だったようで、
こちらにきてからも、みんなそろって食卓には北海道の味がならぶこの晩は
きっとその頃を思い出す夜だったのでしょう。

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年を重ねるごとに、街も人もせわしなく
元旦から街は動き始め、だんだん非日常感が薄れてきているように感じます。
私のノスタルジーなのかもしれないけれれど
心の中にぽっとあたたかく灯っているような風景です。

こんな遠い昔の年の暮れがつい懐かしくなって、
思いがけず長々と書いてしまいました。
さて、そろそろ料理にもとりかからないとな^^
by kisaragi87 | 2008-12-31 08:04 | 思い出ぽろり
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