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第4の顔

ちょっとしたお礼で図書カードをいただいたので、
今日は仕事が早めにあがったから、帰りに本屋に寄って
ひさびさに本を少し買い込んできました。
今は本もネットで簡単に買えるので、どうしてもこの本と決まっているときや、
子供たちの大学で指定された参考文献とか
図書館ですら簡単に見つからないものもあったりする時は
ほんとうに便利だなあと思うけれど、
やはり本屋さんにしかない空気や、
平積みされた新刊や文庫を見てあるくのは楽しいものです。

そんな中に「私がおすすめしたい作家」ベスト10というコーナーがありました。
読者のWEBアンケートの結果をまとめて選ばれたものらしいのですが
中には最近すっかりはまってしまった村上春樹の初めて読んだ本
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」や
ああ、この人も入ってるんだとちょっとうれしくなった
森見登美彦の「太陽の塔」という本もありました。
妄想族の私には、日本ファンタジーノベル大賞もとったこの本は
日常と非現実が奇妙にリンクしながら愉快に広がっていく世界や
若い頃の妄想と苦悩もリアルに感じられ楽しく読むことができた本です。
ほかは「夜は短し歩けよ乙女」しか読んでいないけれど
これからももう少し読んでみたいと思う作家のひとりです。

第4の顔_c0114872_17172413.jpg

ところで、この作品に象徴的に出てくる「太陽の塔」といえば、
もちろんあの大阪万博のシンボルだった岡本太郎氏の作品の太陽の塔
実はこの太陽の塔には過去、現在、未来の三つの顔のほかに
もうひとつ顔があったというニュースをこのあいだききました。
それが、当時地下の展示室にあったという地底の太陽。
この第4の顔が万博終了時に保存対象から外れ、
そのまま行方不明になってしまっているらしいのです。
行方不明といっても、この 「第4の顔」は中心部に直径約3メートルの顔、
左右に約5メートルずつのコロナが伸びて全長13メートルにもおよぶもの。
解体して運んだと思われるのですが
こんな大きなものがいったいどこに行ってしまったのでしょう。
誰かに引き取られたのか、壊されたのかさえ不明で
ここにあったらしいとか、あそこで見たとかいう話も定かではない模様、
今年は万博40周年、ぜひこの第4の顔も展示したいということで
このたび捜索願いが出たらしいのです。

大阪万博は私が小学校6年生の時に開催され、
たまたま大阪に姉妹校があったため、6年生の希望者は見に行くことができました。
大きなホールのような学校施設に布団を並べて一泊した夜を思い出すけれど
あれから40年なのだなあと思いつつ、
私はこの地底の太陽を見た記憶がまったくありません。
一日では回りきれないほどのパビリオンがあったので、
ほんとうに見ていないのかもしれないけれど
こんなぞんざいな扱い方をされているということは、
もともとの太陽の塔じたい、当初は解体ありきで作られたものだったのでしょうか。
第4の顔は人間の根源的な精神世界を表しているのだとか。
どこでどうしてるのかなと、知りたいような一方
かえってこのまま行方知れずのほうがロマンがあっていいような気もします。
by kisaragi87 | 2010-02-15 17:47 | 日々雑感
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