『 雛の国見せ 』

お雛様を飾りました

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早生まれの娘の誕生のときは、生まれて一月もしないうちに初節句だったので
つれあいの両親が
家に近かった人形の街岩槻へ、飛んでいってくれました。
当時はまだ小さな賃貸マンション暮らしだったので
両親も飾りやすいようにと、買ってくださったのはケースにはいった愛らしい、
まあるいお顔の木目込み人形のお雛様でした。

それを見たときに思ったのは、
ああっ! また まるいお雛様だ。。 ってこと。
実は私の持ってるお雛様も、同じ丸顔の木目込み人形だったのです。
人形を選んだ、義母はもちろんそんなことひとつも知りません。
『 ほら、可愛いお顔してるでしょう! 』
ほんとうに愛らしい顔で段々に居並ぶお雛様たち

今はこの丸顔が大好きになったのですが実は、その昔、私が子供の頃は
あの、うりざね顔の美しいお雛様に憧れていました。

私のお雛様は結婚9年目にして、やっと授かった我が子のために
あふれんばかりの喜びの中、両親が選んでくれたものですが
最初は、内裏雛のみの質素なものでした。
そして、そこへ毎年祖母が、少しずつお道具の鏡台やら
お膳やら、箪笥、御所車、などなど買い足してそろえっていってくれたものです。


友達の家にいくと、豪華7段飾りの大きくてきれいなお雛様が飾られ
一番上に鎮座まします内裏雛は、決まって細面の美人顔
自分のお雛さまが嫌いなわけではないけれど
ないものねだりと知りつつも、ああ、あんなお雛様がほしかったなぁ。。と
ばちあたりなことを考えたりしていたものです。

でもいつしか、あまり見かけることない木目込みの雛人形に
かえって愛着を覚えるようになりましたが
まさかあれから数十年たって、祖父母から娘のもとへやってきたのが
またしても、木目込、丸顔のお雛様になろうとは。


娘には細おもてのお雛様をと
子供を持つ前からちょっと考えたこともありましたが
よっぽど、丸顔にご縁があるみたいです(笑)


そんな今年は、私のお雛様も数年ぶりに出してみました。
もう道具類まで出す気力はないので、内裏雛のみとしましたが
きちんとしまわれている桐の箱をあけると
蓋の裏には、私の生まれた翌年の初節句のためにと
購入した年月日と、私の名前が墨で黒々と書かれてあち
両親の喜びと愛情が感じられます。


このお雛様、昔私が少女の頃は
両親と一緒に寝ていた日本間のまくらもとにある床の間に飾られていました。
夜になって、両親より先にやすむときは
小さな常夜灯をつけて、床の間のお雛様をじっと見上げると
なんとも不思議な世界へといざなわれるようでした。

よく、不気味とか怖いとかいう話は聞きますが、けっしてそういう風には感じられず
小さな御所車に乗って、どこかはるか昔の世界へでも
ふっとタイムスリップしていけそうな気がしました。

とはいえ、怖いお雛様もあるといえば、あります。
よく読ませていただいているブログの風待ちさんが書かれていた、ピクリともしないお雛様
また、お雛様ではないけれど、以前京都の宝鏡寺で見た夜回りするお人形
こちらは、逆に夜な夜な動くらしいです(笑)
私も、さすがにこんなお人形はこわいです。


室礼という古来のゆかしき四季折々の行事の代表格でもある桃の節句には
『 雛の国見せ 』という風習があったそうです。
古くは三月初めの巳の日や重三と言われる三月三日に野山や浜辺や川に出て
春の穏やかな陽光のもとで遊び
その時に女の子が雛を携えて眺めのよい丘にあがり座をしつらえたり
晴れ着の羽織を広げ、その上にお雛様をかざって
雛に四方の景色を見せてあげるというものです。

なんとも、のどかで、たおやかで優雅な風習ではありませんか。
こんな日本の景色が懐かしく思われる、桃の節句です。
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by kisaragi87 | 2007-03-02 11:47 | 日々雑感
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