こころづくし

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# by kisaragi87 | 2010-03-19 19:58 | 旅・散策

ライラックの咲く頃

ライラック、またの名をリラ。
その花の咲く頃にいちど行ってみたいと思っていた札幌、
祖父母のところへ行くのはいつも夏や冬ばかりで、
いまだいちどもライラックの季節に街を歩いたことがありません。
そんな花をぜひ見に来て、その花の季節に会いましょうねと約束していた人がいます。

約束の季節とはちょっと違ってしまったけれど
やっと会うことができたよね、なすびさん。
一日の仕事を終えてからかけつけてくれたなすびさん、
地下鉄南北線の、すすきの5番出口。
目と目があって、すぐにわかりました。
わぁなすびさんだ、ほんもののなすびさんだ!
その話しかた、声、笑顔、どれもブログから受けた印象そのまま、
かざらないのにとびきりめんこくて、
すべてをやわらかくつつんでしまうような存在感。
ブログは裏切らない。

何も知らずに連れていってもらったお店は偶然にも私が昼間歩いた本籍地のすぐそば、
同じ北一条の二丁目違い。
子供の足でも5分とかからないところでしょう、
もしかしたら昔々お使いに行かされたあたりかもしれません。
そんな場所にある「つき灯り」、
その名前もやさしげで、通された個室ではすっかりくつろいでしまいました。
お酒はあまり飲めないのというなすびさんだけど
一杯だけビールにつきあってくれました。
ああ、美味しい!仕事の後のビールは美味しいよね。
話すことがいっぱいで、写真も撮らずにいたら
「パチってしなくていいの?」って。
うふふ、いつもパチってしてるものね、それじゃ遠慮なく。
北海道根室の開きホッケ!向こう側にはタチのお鍋♪
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「たち」というのは、marronwさんもコメントにくださったけれど、タラの白子のことです。
北海道ではそれを「たち」と言い、もちろん母も祖母もそうよんでいました。
なすびさんとも、そんな話もしたよね。
美味しいものがいっぱいだけど、それ以上に私を満たしてくれたのが
こうして向かいあって話せる時間。

いったい、どれくらいおしゃべりしたのだろう。
まだ話足りないねって、少し歩きました。
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出会ったばかりの頃の両親がよく待ち合わせたという時計台。
札幌というと時計台のイメージが強すぎて実際に見てがっかりする人も多いらしいのです。
でも私には父と母がデートを重ねた思い入れの場所、変わらずにここにいてくださいね。

まだ9時すぎだけどあちこち店じまいの地下街で
やっと閉店まぎわに滑り込んだドトールコーヒー。
ひとしきり話した頃、
あのぉ、閉店の時間なので・・
申し訳なさそうにお店のお嬢さん。

それじゃそろそろって、地下街を出てすすきのに向かう道すがら
なすびさんが立ち止まりました。
ここ、ちょっとだけ寄ってもいい?
私はいいけど、なすびさん明日のお仕事大丈夫?
うん、ちょっとだけ。
この店はなすびさんの思い出の店、場所は移転したとのことですが、
ここにどんな思い出があるのかな。
明かりを落とした店内には心地いい音楽と棚いっぱいのレコード。
私も昔通ったジャズのきけるお店でよく飲んだソルティドックが懐かしくて一杯だけ、
なすびさんはコーヒーを一杯。

なすびさんが私のブログに初めてコメントをくださったのは
祖母のことを書いた「鰊場育ち」でした。
どこからどうやってここへ来たかわかりませんが・・そう続き、
海の向こうに、増毛、雄冬連山が見えるのです。美しかったです。
そう書いてくださいました。
まさにこの旅で私は増毛(ましけ)に立ち、雄冬(おふゆ)を通ってきました。
なすびさんが小さな頃から見てきた風景が私の大切な場所でもあったのです。
お互いの大好きな記事のことも話しました。
遠くにいる友達のことも話しました、家族のことも話しました。

そして夢のような時間はすぎ名残り惜しいけれどさよならの時間。
すすきのの交差点で別れ際思わずなすびさんをぎゅっと抱きしめると、
なすびさんもぎゅってしてくれました。
通り過ぎる人が見ていたっけ。
さあ、振り返らないでいこうね、と笑顔で言うなすびさんに
うん、それじゃまたと私も笑顔。
ふたりとも振り返らず、なすびさんはふたたび地下鉄に
私はすすきのの近くにあるホテルに向かいました。
いつかライラックの咲く頃にまた来ようって思いながら。
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# by kisaragi87 | 2010-03-16 23:57 | 旅・散策

想い人

早めに作ってもらった朝ごはんをいただいてから
7時半すぎに色々お世話になりましたと「ぼちぼちいこか増毛館」を出ました。
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町のバス待合所まで車で送ってくださったご主人、
バスが到着するまで一緒に待って、最後まで手を大きく振ってくれました。
さよなら、増毛、ありがとう。
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札幌へと走る高速バス、
今度は行きの深川を通って留萌に向かった内陸を通る道とは違い
海沿いを走るルートです。
雄冬岬を通る頃、ふたたび雪が激しく降ってきました。
この国道のなかった頃は、札幌から雄冬には往来不能
増毛からも冬は道も途絶え、船で行くしかなくて
その船も海が時化ればたちまり欠航、陸の孤島と言われたゆえんです。
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今はその雄冬岬を見ながら崖沿いに走ります。
しかし後からきいた話ではタクシーなどの運転のプロでさえ
冬季にこの道を走るのは怖いそうで、
たしかにめまぐるしく変わる天候の中、
海から吹きつける雪や風をうけての運転は神経がすりへることだろうと思います。
ただ、それだけに景色はみごと。
降ったりやんだりを繰り返しながら札幌到着は10時過ぎ、
行きのルートよりもだいぶ早く帰ってくることができました。
とりあえず荷物をコインロッカーに入れ、
職場の友達に頼まれたものや、留守番中の家族にとお土産を調達。

それから札幌の私の本籍があった場所へも一度行っておきたいと
札幌駅から昔の戸籍謄本を片手に交差点の○条○丁目を見ながら歩きます。
そしてみつけた本籍地、
なんと驚いたことに、そこには札幌テレビ。
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ほんとうにここなのだろうか、何度も所番地を確認するも間違いなし。
帰ってから調べてみたら、
札幌テレビは当初は札幌市中央区南1条西1丁目に所在していたが、
札幌オリンピックを翌年に控えた1971年に現在地(北1条西8丁目)に新築移転した。
と書かれたものがありました。
これでつじつまがあう。
以前の家から新琴似の新しい家に引っ越したのが私が小学生の頃、
きっと都市計画とかの都合で、立ち退きとなったのかもしれません。
たしかに札幌テレビの所在地には北1条西8丁目という、私の本籍が記載されています。
近くに北大の植物園や道庁、反対には大通り公園、
当時は周りにも民家がけっこう立ち並んでいたはずだけれど
ほんとうに恵まれた立地にあったのだと少し驚きました。


ずっと長距離バスや雪道の歩きとおし、
なんだか本籍地の確認をしたら、どっと疲れてしまい
とにかくゆっくり一休みしたくてたまりません。
どこかいい場所はないかあ、そんな店を探しながらしばらく歩いたけれど
そうだ、と思いついたのが先日友達から教えてもらったばかりのお店。

行ってみるとほんとうにいい雰囲気、
窓に向き合う外が見える席、静かでぼんやりするにはぴったりです。
隣に座った女性二人連れが控えめに語る北海道なまりのある話し声を心地よくききながら
しばらくぼーっ。

やっとひとごこちついたので、友達宛に葉書を書きました。
今回会えたらと最後まで迷い、
携帯に入れてきたパソコンのアドレスを北海道に着いてからも何度もみて迷いました。
北海道には想い人がいすぎます。
みんなに手紙を書きたいな。
そんな想いも一緒くたにして、増毛で買ってきた葉書に短い言葉を書きました。

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そしてこの夜はリラの咲く頃に会いましょうと約束していた友達に会いに行ったのです。
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# by kisaragi87 | 2010-03-14 23:00 | 旅・散策