留萌から増毛まで30分あまり、右手に海をみながら走ります。
通路をはさんだ反対側のおじさんがビールとおつまみを出したので、 私もバッグの中からひとつ残っていたおにぎりを出して 海をみながら食べました。 道南産のいくらの醤油漬け入り。 冷たくなったおにぎりだけど、なんだかとっても美味しい。 単線非電化の線路の上、 ゴンゴゴン、ゴンゴゴンという列車の揺れが心地よくひびきます。 信砂(のぶしゃ)の手前にトンネルを抜けると ザーッと列車の巻き上げる雪煙りが窓に吹きつけ それが融けて雨が降ったように濡れます。 そしてその小さな水滴がまた外気の寒さにシャーベットのように凍りながら落ちていきます。 30分あまり、増毛が近づいてくる高揚感も手伝って 飽きることなく車窓の風景に見入っていました。 そして終着駅増毛。 ここで線路は終わっています。 増毛は私にとって特別なところです。 幼い頃から祖母の昔語りは増毛か静内のこと。 増毛を語る祖母のことは「鰊場育ち」 という記事に書いたことがありますが おそらく祖母にとってもそこでの日々が 人生でいちばん思い出深い幸せな時だったのだと思います。 母方の祖母と私は血のつながりはありません。 でも私を育ててくれ、あらゆる意味で色々なことを教えられたかけがえのない祖母です。 増毛を味わうのはこの午後のみでしたが 思いもかけないほど増毛を堪能する半日となったのです。 お天気も持ち直し薄日もさしてきました。 少し快速運転したいので、コメントお休みちゅうです。
by kisaragi87
| 2010-03-08 05:39
| 旅・散策
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