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はるかな友へ

たかがブログ、されどブログ。
ブログを始めてから数々のご縁に恵まれました。
そしてそんな縁を結んだ方たちの住むところ、
ゆかりの場所にも不思議な愛着を覚えるようになりました。
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そんな友達のひとりが、はるか海のむこうにいます。
会ったこともない、まして声を聞いたこともなければ、彼女はブログも持っていません。
それでもとっても身近に感じることがあります、
出会って半年が過ぎ、今はメールでのやりとりがほとんどとなりましたが
彼女から教えてもらったことは山ほどあるんです。
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そして一番驚いたことは、風待ちさんから教えてもらった伏姫桜のことを書いたとき
そこが彼女にとってもとても愛する大事な場所だったと聞いたときでした。
彼女はお父さまのお仕事の都合なのか、幼い頃から海外で暮らし
その後日本に10年住んだこと、そしてその場所が伏姫桜のあるところだったこと
そこで日本の環境に慣れるのに大変だったことや
ご両親との葛藤、いじめなど、辛い思い出の方が多かったといいます。
でも、この伏姫桜のお寺に出会ってからは、ここが心安らぐ大切な場所になり
彼女の慰めの場所となっていたというのです。

今は海の向こうで家庭を持っている彼女ですが
日本にずっと住んでいる私よりもずっと文化や芸術にも造詣が深い人で
室礼という昔からの季節を楽しむ習慣のことを教えてくれたのも彼女だし、
短歌も大好きみたいなのです。
桜のこともあったので、風待ちさんのことを伝えたら、
すぐに熱烈な風待ちファンになってしまいました。

不思議な縁で赤い糸がくるくるとめぐっているように思えてしかたありません。

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そんな彼女は今、日本にいらっしゃるお母さまに連絡をすることをためらっています。
母娘の間にどんなこれまでがあったかということを、私は知る由もなく、
そしてまた、私が立ち入るような問題ではないことは重々承知です。

ただ、私と母とのことを知ってくれている彼女だからこそ
元気でいらっしゃるうちに連絡をしてあげてほしい、ついそう言ってしまったのですが
それは違うと、後から気づきました。
それぞれの親子には、それぞれの今までがあるのです。
それは自分で考えて、自分で結論をだすこと。

そして私ができることといえば、
そんな彼女に、たぶんお母さまが今いらしゃるのだと思うこの町の風景を届けること。
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今までに聞いた場所を歩いてみました。

お不動さんの門前
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教えてもらったお線香やさんは、たぶんここだと思う。
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境内は5月の光にあふれ、本堂の暗がりにも陽の光が届いていました。
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そこは下町の優しさが、あちこちに散らばっているような場所。
八幡さまでは
頼まれもしないのに、にわかガイドになって謂れを力説するおじさん
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青空のもと深川めしに舌鼓をうっていると
あらぁ、もっとたくさん食べなくちゃ!なんてにこにこ笑顔で話してくれるおばちゃん
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どこからともなくギターを抱えてふらっと現れ、
「お食事中のみなさま、拙き一曲をお聴きください」と、ポロンと流してくれるおじさん。

そして、なんと川の多い町、いくつも橋をわたり、川沿いに歩き
ふわふわと浮かぶクラゲは、海が近いことを知らせてくれます。
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流れに沿った桜並木は、すっかり新緑の枝葉を広げていたけれど
たった一輪だけ、名残りの桜がありました。
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「私はここで待っていたの」 そんな声が聞こえてきそう。

そして私の橋まで、みーつけた(笑)
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夕暮れまで足が棒になるほど歩いたけれど、
また来てみたい、そう思わせてくれる町でした。
by kisaragi87 | 2007-05-07 19:27 | 旅・散策
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