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疾走するマカオ その二

疾走するマカオ、さてその真相をお話しする前に
まだしばらく観光は続きます。

この後向かったのが、マカオの顔ともいえる聖ポール天主堂跡

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完成当時は東洋で最も壮大で美しい教会だったといわれ
17世紀初頭にイタリア人修道士によって設計されたとされたのですが
1835年の火災でそのほとんどを焼失し今はその正面のファサードが残るのみです。

長崎から幕府の弾圧を逃れて渡ってきた日本人キリスト教徒も建設に加わっていると言われ
その証拠には、二段目のマリア像の周りには菊の花が彫刻されています。

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壁後方の地下室には、長崎26聖人の遺骨が納められており
日本とも意外なつながりがあることを知り、
迫害を受けた聖人や、海の彼方へとやってきたキリシタンたちに想いを馳せてみました。


階段を下りた広場には、こんな果物満載のお店

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上を見れば可愛いベランダ。

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どこの国へ行っても、ベランダからは生活の匂いがしてくるようで好き。
ベランダコレクション。

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そこからこんな細道を通って、向かうはセナド広場

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セナド広場とは、市評議会が面するモザイク模様のタイルが敷き詰められた広場のことで
同じくここに面しているのが、聖ドミニコ教会

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マカオで最も美しいといわれる教会で、
淡いクリーム色の建物は、まさにポルトガルのスタイルそのもの
重厚な彫りのある大きな扉を開けると、聖母子像が見えます。

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その聖母子像が美しく、しばし見入ってしまいました。

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見学の私たちの傍らでは熱心に祈る人たち、

見学の列の最後尾につくと
最後に後ろを振り返り、祈る人たちとともに私も小さな祈りを捧げました。
できればしばらくこのままで、ここに座っていたいと思う気持ちを振り切って戻る見学の列。

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そこからまた広場に出ると、徒歩でカジノもある昼食場所へと向かいました。
ここでビュッフェスタイルのポルトガル料理をいただくことに、
夫と私の二人は30分で食事を済まさねばならず
目移り、気移り、しているうちにタイムアップとなるので
サッと目に付いたものからいただくことに。

面白いことに、ポルトガル料理にはよく鰯が登場すとは聞いていたのですが
なんと、お皿の焼き魚の前には、見慣れた秋刀魚の文字が。
秋刀魚は中国語でも秋刀魚と書くらしく
炭火で焼いたという秋刀魚は、まさに日本の秋の味覚。
興味本位で食べてみたけど、レモンをキュッとしぼって食べると
まるでスダチをかけた秋刀魚の塩焼きそのまんま(笑)
中国では焼き魚はあまりないようなので、やはりマカオ、ポルトガルスタイルだと思います。

さて、秋刀魚に舌鼓を打ってる暢気な如月夫妻のもとへ
ガイド嬢が静々と歩み寄り
「そろそろお時間ですけど、よろしいでしょうか」と、告げます。
にっこりしながらも、時間が押しているのか、きりっと涼やかに私たちを促す目元。
「あのぉ、秋刀魚が・・」 とは言えず
はい、と私たちも速やかに席を立たざるを得ませんでした。

港へと向かうバスの中は夫と私とガイドさんと運転手の若いお兄さんのみ
次なる目的地深圳への入国カードの記入するうちに
バスがすーっと左脇に停止して、ガイド嬢が何やら外と声を掛け合っています。

ん?と思いながら外を見ると
なんとマカオの警官が二人近寄ってきました。
どうやら急ぐあまり、運転手のお兄ちゃん、何か交通違反をしてしまったらしいのです。
ガイド嬢が必死で警官に訴えています、想像するところ
腕時計をいく度も指差しながら、

「この人たちは観光客で、○時のフェリーに乗らねばならず
急がないと遅れてしまう、どうかここは大目に見てくれ」

そんな感じ。
後から聞いたことには、このガイド嬢、標準語の北京語しか話せず
広東語はそれこそ片言、北京語と広東語は、お互い外国語くらい違うそうで
いくらしゃべっても、なかなか埒があかない様子、
それからまた、携帯電話で何やら緊急事態を連絡した後
ふと私たちを振り返ると

「すいません、バスを降りて走ってください!」 と、きっぱり。
ええっ?走る??
きょとんとしていた私たちも、ようやく事態の緊急を察知。
とにかく走り、もし途中でタクシーがつかまったら、速攻タクシーに乗る。

「忘れ物はないですね!」
「はい!」
それではっ!ということでバスを降りました。
降り際に運転手のお兄さん、申し訳なさそうにバイバイと見送ってくれました。

さぁ、ここから猛ダッシュ、
香港もマカオも運転の荒さでは定評があるらしく、そんな車をかいくぐり、かいくぐり
歩道の人も蹴散らして走ります、まさに疾走するマカオ!
何が悲しくて、こんな異国の地で、走らねばならないのか・・
蒸し暑い風を頬に受けながら、そんなことを思ったような、思わなかったような。

しばらく走ってメイン通りに出ると
時おりタクシーがいないか、振り返り振り返り、何度目かでやっと空車を発見、
しかし港に着いたときは、すでに午後2時の出港まであと10分を切っていました。
チケットを渡され、手短に段取りを教わると、
ガイド嬢は他のメンバーが待っているため、
大丈夫、大丈夫と(何が?)手を振りながら、また風のように彼方へ。

さあ、ここからは正真正銘夫とふたりきり、
チケット確認後その先を見ると出国手続きには、数十名ほどの列ができていて
これはどうみても、あと5分じゃ間に合わないという人数、
万事休す。
そのうちに時計の針は午後2時を指し、夫と顔を見合わせながら
「こりゃ、無理だね・・初カジノでもやって帰るかぁ」と半ばあきらめの境地で苦笑い。

それでもあれだけ走ったのだもの、やれるだけやってみようということで
出国手続きを済ませ桟橋まで走っていくと
なんと船がいるではありせんか!
どうやらおおよその出国手続きの人がいなくなるまで待ってくれるようなのです。
そんなの知らなかったもん!

積み遅れのお客様がいても、待たずに定刻に出発いたしますのでご注意ください、
そう言われた母国の飛行機会社とはずいぶん違うなぁと
どちらがいいとも結論のでないまま、
とりあえずこの日は定刻に遅れてしまった私たち、そのアバウトな配慮に感謝しつつ
定刻より遅れること20分ほどで船はマカオを離れて行ったのです。

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向かうは深圳。
by kisaragi87 | 2007-09-01 17:27 | 旅・散策
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